つわりってドラマによると「う‥!」とトイレに駆け込んで、その後はスッキリしているだと思っていた。一日中吐き気がして、吐いても吐き気するなんて思ってもみなかった。何を食べても受け付けなくて、食べないから胃が痛くて余計にムカムカして、胃液ばっかり吐きつづける。だんだん吐きすぎて頭が痛くなってきて、めまいもした。1日に20回以上吐いて、トイレで生活したいと涙した。知らないとは怖いもので、つわりってこういうものだと思い込んでいた。みんなそうなんだ、みんな我慢してるんだ!って勝手に思い込んで、ひたすら耐える日々。本によると「水も飲めなくなったら病院へ」と書いてあるので、ついに夜中に断念して救急病院へ。
なんせ徒歩3分で超近所に救急病院があるので、一人でいってきまーす状態。この時点ではまだ、注射か点滴してもらえばすぐに良くなると信じていた。救急なのに待たされまくって、ソファでゲロゲロになりながら待つこと20分。やっと寝起きみたいな当直の医者がやってきてすぐに尿検査。内診されて「赤ちゃんは問題ないけど、ケトンが+++だからすぐに入院するように」と言われてええ!!って感じ。「色々説明があるから、ご主人は?」って聞かれて「家ですけど」って答えたら「どうやってきたの?」って。「近いので歩いて」と返事するとめっちゃ怒られた。かなりやばい状態で、すでにつわりではなくて「重症悪阻」になっていて、ひどくなると意識がなくなるとか、植物状態になる人もいるとか色々言われて、なのになんで一人で来るんだ!ってめちゃくちゃ怒られた。
この時点で私は大きな間違いを。入院すればすぐにつわりは治まるものだと信じて疑わなかったのです。だって良くなる為に入院するんでしょう??あーこれが大きな間違いだった…。
生まれてはじめての入院生活。6人部屋なのに挨拶もする暇なく手続きして24時間点滴生活。
これが思ったよりとにかく精神的に応えた。一人で寂しくて不安で更に気持ち悪くなるばかり。点滴のせいで頻尿がひどくておまけにトイレに行くと吐いて、10分おきに1日中トイレの往復。
持病の不眠症もますます悪化して、結局5日間一度もまともに寝ずに、朝から晩まで病院を徘徊して過ごした。6人部屋の5人は、双子の管理入院と二人目の早産入院で割とドンと構えていた。ピリピリ神経質にしてたのは私だけ。みんなにも迷惑かかりそうなので、個室にうつって少しは気分的にマシになったものの、そういう時に限ってダンナ様が出張でお見舞いに来れない日もあって最悪だった。ちょうど東京に転勤してきたばかりでお見舞いに来てくれる友達なんて一人も居ない。病院内はパソコンも禁止で誰かに電話しようにも気持ち悪くて話せない。一人で病院にいると気が狂いそうになって吐きながら泣いてばかりいた。
このまま入院していても良くならないし、悪化するだけだと思って、泣きながら退院させてくれと毎日毎日医者に頼み込んだ。医者は当たり前だけど「入院したからといって確かに良くはならないけど、退院できる状態ではない」と反対した。でも一睡もできずにあまりにも日に日に衰弱してく私を見て「しょうがない」と最後は退院許可を出してくれた。退院する日は嬉しくて嬉しくて気のせいかつわりが軽くなった気がした。でも家まで3分、荷物を持って一人で退院した時はあまりにも長い道のりに感じて驚いた。
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